スターリン体制下のソ連で亡命を余儀なくされたトロツキーが亡命先で執筆した告発の書。レーニン時代にソヴィエトはだいぶ発展したんだけど、スターリン体制になって、なんだかハチャメチャになっちゃったよ、なんか、労働者が平等な社会を作るはずだったのに、官僚が世の中を牛耳って私腹を肥やしてるし、コルホーズの経営者とその農場で働く一般農業従事者のあいだに昔の地主と農奴みたいな格差が生まれちゃってるよ、全然ダメじゃん! などなど、あれこれ批判している。当時の状況をうかがい知ることができ、大変面白い。
特に冒頭の「統計的な数字を見ると革命以降ものすげえ発展した。したんだけども、中身を見るとあんまり良くないよね」という分析は明解で。たとえばアメリカとソ連の採石場の労働者ひとりあたりの生産量を比較して、生産量はソ連も良い線いってるけど、生産性で見ると「俺たち、アメリカの10分の1しかアウトプットできてないよ、ダメじゃん」と言っている。トラクターもたくさん作ってるけど、すぐぶっ壊れるし、すげえ効率悪いことやっててヤバくない? とか言ってるの。トロツキー、頭良いな、頭良すぎて消されちゃったんだな、とか思ってしまった。
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