美の理論 新装完全版posted with amazlet on 07.09.27テオドール W.アドルノ 大久保 健治
河出書房新社 (2007/09)
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先日、河出書房新社より永らく絶版状態にあった『美の理論』が復刊されました。が、値段を見てびっくり。平均的な学術書の値段だと私が感じるのは、せいぜい3000円~4000円(3000円切っていると安いな、と思う)。12000円超という価格は、少し踏ん切りがつきません。それでもいつもなら「ついに読める日が来たのかー」と買ってしまうのですが、この大久保健治による翻訳の評判を聞いた限り「踏ん切りをつけないほうが良いのかな」とも思います。どうやらかなり酷いらしい。読みにくさ、誤訳っぷり、どれをとっても超一流だ、と以前アドルノを専門にしていらっしゃる方にお聞きしました。
そういう評判が立っているものを、復刊するのはどうなの?(CS向上がどの業界でも叫ばれるこの時代に!)と問い詰めたい気分で一杯ですが「原書が読めないヤツは翻訳に文句を言うな!」というのが私のポリシー(のはず)だったため、グッと堪えます。しかし、悔しい。「文化産業め……、俺を疎外しやがって……足元見やがって」と腹の中が煮えっておりますが、そこで紳士的に方向転換。ちょうど良い機会なので日本語で読むのを止めようと思います。
Aesthetic Theory (Continuum Impacts)posted with amazlet on 07.09.27Theodor W. Adorno Robert Hullot-Kentor
Continuum International Publishing Group Ltd. (2004/10/21)
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Minima Moralia: Reflections on a Damaged Life (Radical Thinkers)posted with amazlet on 07.09.27Theodor W. Adorno E. F. N. Jephcott
Verso Books (2006/01)
売り上げランキング: 37229
というわけで以上の2冊を購入。それぞれ『美の理論』の英語版と、『ミニマ・モラリア』の英語版(こちらも邦訳は絶版)。まず、なんか異常に表紙がカッコ良くて驚きます。『ミニマ・モラリア』なんか表紙がエンボス加工。白い文字で大きく『V』と書いてある部分。どうやら出版元のVerso社の『Radical Thinkers』というシリーズらしい。日本で出ている様々なアドルノの著作とは全然印象が違いますね。
受験英語以下の英語力で、立ち向かえるかどうかわかりませんが頑張ります。もう丸2年近くアドルノを読み続けているので、勘で勝負していこう。
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