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PETER GABRIEL/Scratch My Back




Scratch My Back
Scratch My Back
posted with amazlet at 10.03.26
Peter Gabriel
Real World Prod. Ltd (2010-03-02)
売り上げランキング: 2783



 新譜。ピーター・ガブリエルのソロ名義での新作は実に7年ぶりになるという。ちょうど前回のアルバムが出たときは、本作の日本版ライナー・ノーツに文章を寄せている岩本晃市郎氏が編集長を務めている『ストレンジ・デイズ』編集部に出入りしていた時期だからなんとなく覚えているな。今回はカヴァー曲集、しかも1曲目からデヴィッド・ボウイの「Heroes」なもんで超ドキドキして聴き始めた――で、最高……! と聴き入ってしまったわけである。今回ピーガブがカヴァーしたアーティストによる、ピーガブの楽曲のカヴァー曲集も出るって話だからそちらも期待したい。





 アフリカの貧困国に対しての援助活動をおこなうアーティストの先駆者、という一面を持ち、見た目も仙人じみてきており、なんだか良識派ミュージシャンの一派のくくりに入っちゃってるんじゃないか、というピーガブだが、音楽的にはハイファイ・サウンドへの異様なこだわりなどなど偏執狂的な部分がこの人にはある。そういう人が普通のカヴァー曲集を出すわけがなく、今回も「ギターとドラムを使わない」というルールが敷かれた上で制作が行われたようだ。ピーガブの伴奏を担うのは、ストリングスを中心とした室内オーケストラ。アレンジは、スティーヴ・ライヒっぽくまとめられている。はっきり言って、ほぼ原曲の面影はなし。完全にピーガブ色に染め上げられてしまっている。「Heros」も聴いてると「Here Come The Flood」みたいに聴こえてくる。



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 それだけにヴォーカリストとしての彼の魅力が存分に楽しめる、と言って良いだろう。別に超上手いわけではないのだが、この声はやっぱり良いよ……。なお、スペシャル・エディションを買うとピーガブのサイトからCDよりも高音質な音源がダウンロードできるんだって。CD以上のピーガブ・サウンドを楽しみたい方はそちらを。





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