レム コールハース
筑摩書房
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建築のことはよくわからないし、実はコールハースのことも、先に触れた岩元真明の修士論文のタイトル「大都市的建築―レム・コールハースとヴァルター・ベンヤミンの比較研究」だけで興味を持っていた。ベンヤミンと比較される建築家はどんな文章を書いているんだろう、とただそれだけの興味である。今回初めて読んでみたら、まあ、たしかにシニカルな語り口や、語りの晦渋さ、あるいはイメージの伝え方には、たしかにベンヤミンっぽさがあるのかもしれない、と思った。特に都市や建築を語りながら、社会批評を織り交ぜてくるやり方は『パサージュ論』みたいでもある。というか、わたしは建築のことがよくわからないので、そういう批評的な読み方しかできないのだった。そして、コールハースの語り口に触れてると現代都市がすべてディストピア的に感じられてきて気が滅入ってくる。
都市から少し離れた文章では、東京や日本について書いているもののなかに、こういうのがある。
日本では何もない自由時間に仕事が組み込まれているのではなく、仕事という基本体制から掘り出された例外的な状態を自由時間と言う。なんという 適切な表現なのか。
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