Yes
Atlantic/WEA (1994/10/18)
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「ニューウェーヴ再評価」の波も一段落、と言った昨今、別にその流れに乗ってニューウェーヴ関連昨を買い集めていたわけではないのだけれど「じゃあ、次はプログレか?!」とか思っている。たぶん「プログレ再評価」とか絶対無いけど「誰かに買われないうちに……」と今のところ人気がない中古盤価格が安いアルバムを買って来て「うわー、良いなぁ」とか思うのは楽しい。そんなわけでイエスの『Drama』というアルバムを買って来た。500円……。
イエスと言えば「ヴォーカル、ジョン・アンダーソンのハイトーン・ヴォイス」がまず特徴の一つとして挙げられると思うんだけど、1980年に発表されたこのアルバムはジョン・アンダーソンがキーボードのリック・ウェイクマンと一緒にバンドを脱退してしまった後に、バグルズを吸収して製作されている。「ラジオ・スターの悲劇」をヒットさせ「MTVの象徴」とも言えるバグルスと、70年代前半にいくつか売れたアルバムがあれど「ダサいロック」の象徴であるイエスの融合ってどんなだよ!って思うんだけど、全然違和感が無いところが面白い。すごく……好きだ。
印象としてはA面が、長尺で変拍子、展開の多い「Machine Messiah*1」という楽曲を中心に従来のイエス風でまとめられているのだけれど、B面が素晴らしい。バグルスが「技巧派バンド、イエス」というマテリアルを使用して自由に作り上げたモダン・ポップという佇まいが粋(そしてどう考えてもバグルスの楽曲にしか聴こえない)!各々の癖のあるプレイ、特にスティーヴ・ハウの変なスライド・ギターとか音数の多いパッセージが盛り込んであるんだけど、それが過剰で全体としてまとまりがついてない――「そこが良いんじゃない!(みうらじゅん)」と叫びたいですよ、私は。
A面はバンドを去っていったジョン・アンダーソンへのトリビュート。ある意味、ポール・ロジャースのヴォーカルによるクイーン再結成みたいなものなんだろうけど、その部分はほんとに結構どうでも良いです!「ジョン・アンダーソンを再現」みたいなものに過ぎないから。何度でも言うけど、「見た目はバグルスで内臓が過剰にイエス」というB面曲が最高(映像はB面に収録された『Into The Lens』という曲のライヴ映像。この後、このメンツによるイエスは二度と存在しないので貴重な映像)。ちなみにこのバグルス-イエスはこの後、分裂してエイジアになったり、トレヴァー・ラビンという人をいれてシネマというバンドになったりします(シネマにジョン・アンダーソンが出戻ってイエスの名前になる)。
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