STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2006年 12月号 [雑誌]posted with amazlet on 06.11.08
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私にとっての90年代とはイエモンが好きだった中学生が地元のFM放送局の深夜ラジオで伊藤正則の洗礼を受けアイアン・メイデンに目覚める…といったあまりリアルタイムと関係ない過ごし方をしたため、特にこの総括に対して思うところはない。とりあえず「渋谷系」に対するライターの溢れんばかりの愛情とかシニシズムとかが、こう…単純に気持ちが悪いよね……という感じだ。「すみません、フリッパーズが好きで……気持ち悪くて」という批判を先回りする感じが、私にはさらに気持ち悪くてこう「良いだろ!好きで!!」と開き直ってもらったほうが素直に受け止められるというか。その点やはり伊藤正則の「俺の好きな音楽は全部メタル」という開き直りにも似た快活さは最高にクールだと思う。やっぱ、ゴッドっすよ、マサは。私も「俺の好きな音楽は全部プログレ」とか言いたい。
しかし、唯一中原昌也のインタビューはすごく面白かった(短期集中連載の『中原昌也フェスティヴァル』も)。各所で中原は「情報がフラットになっているせいでおかしなものが生まれにくくなっている状況」を嘆き、また「おかしなものが変に洗練されていたり、また無視されていたりする状況」に対して憤りをぶつけてたと思うんだけど、このインタビューで初めて「じゃあ、自分はどうするか」みたいな決意表明みたいなのをしている。ベタでそう考えてるかどうかは分かんないけど「個人として状況にアゲインストする」という態度はとても良い。
「なんでみんなアゲインストしないんだよ!」と集団を形成しようとする前に個人としてアゲインストしなくちゃいけないのかぁ、とミスタードーナッツのカフェオレを(マサカーを聴きながら)啜り考えていたら、こう、身の引き締まるような感じがして「よし、やったるぞ」と決意に至る。これから自分が何をやるかは分からないけれど、とにかくやるんだよ。馬鹿に思われるかもしれないけど、やるのだ。とりあえず、そのときやったのは『Killing Time』を再生し続けるiPodのヴォリュームを上げることだったのだが。
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