ミニマル悪夢

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女中(メイド)の臀(おいど)
ロバート・クーヴァー Robert Coover 佐藤良明
思潮社
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 トマス・ピンチョンやジョン・バースに並ぶアメリカのポストモダニストと称される小説家、ロバート・クーヴァーの短編。「強烈な印象の小説だったよ……」という友人の薦めによって読む。主人とメイドという非常に閉じた世界の中で、言葉遊びを伴ってミニマルに繰り返される官能――簡単に小説の内容を言うならばこんな風に表現できるだろうか。メイドが失敗をするたびに主人はメイドの尻を鞭で叩くのだけれど、その関係は同時に「主人は《叩かなければならない》」という受動的な暴力にもなっていて屈折したSM的関係が面白い。


 非常に翻訳の限界を感じさせる小説だなぁ、と思った(翻訳者、佐藤良明による解説を読まなくては分からないことだけれど)。原文の言葉遊びの部分を、翻訳者は「ダジャレシステム」で解決しようとしているんだけれど、なんかやっぱり無理がある、というか……ダジャレにしてしまうことによって「遊び」の部分ばかりが浮き上がってしまう感じがするよなー。私は英語が苦手なので文句は言えないし、むしろ、「読書は闘いである」などと言うのであれば言語能力を習得する必要性にも駆られてしまう。


 原文はクラシックで格調高い文章だそう。翻訳だと部分的にあるその「硬さ」がお笑いにしか感じ無いのが……つらい。仕方がないことだ。





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