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当たり前のことを立派に言う




賢者の教え―せち辛い人生をいかに生きぬくか
バルタザール・グラシアン J.レナード ケイ Baltasar Gracian J.Leonard Kaye 加藤 諦三
経済界
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 17世紀スペインのイエズス会で偉いお坊さんだったバルタザール・グラシアン・イ・モラレスの箴言集を読む。ショーペンハウエル、ニーチェ、ルーマンなどがグラシアンにリスペクトを捧げているという話を『社会の芸術』の訳注で読んだので気になっていたため。マーケットプレイスで10円。ビジネス/自己啓発本みたいにリメイクされているため、この安値なのだろうか。編者もJ・レナード・ケイという本業はグラミー賞受賞歴のある作詞家という謎っぷり。


 言ってることはすごく普通で当たり前すぎるぐらいに当たり前なことばかりなんだけれど、いちいち立派でありがたい言葉のように読めてしまうのが面白くて一気に読んでしまった。一発目から「眠りは寡黙の伴侶である。問題は明日考えよ」ですよ――早く寝て、悩みごとは明日考えなさい、ってことでしょ?お母さんみたいじゃないか。他にも「歓迎されたければ招かれた場所のみいくことだ」とか「不注意から生じた間違いには、ただちに責任を取れ」とか当たり前なことがたくさん。そのたびに爆笑。最高なのは「人に頼みごとをするにはコツがある」。そのコツを教えて欲しいのだけれど……。


 でも、やっぱりこういう当たり前のことを面と向かっていわれること、って結構面白い。「当たり前のこと」って、当たり前すぎて普段見えないもんな。だから、グラシアンは偉い(のかもしれない)。ちなみに今アマゾンみたらこの本の最安値、9円でした。





コメント

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