60年代から活躍するブラジルの大物ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾについて調べていたら見つけたすごい映像。時期は不明だがマイケル・ジャクソンの「Billie Jean」をボッサでカヴァー。リズムは完璧に組みかえられちゃっているし、歌詞はポルトガル語だしで(よく聴いたらそのまま英語だ……訛りがすごすぎてまったく英語に聴こえなかったというオチ)、サビ部分にくるまでまったく原曲がわからないのがスゴい!カヴァーじゃないと思って聴いたほうが、良いな、と思える謎の演奏だ。
ヴェローゾのカヴァーでスゴいのはこれだけではない。彼は2004年にアメリカのポップ・ミュージック/スタンダードをカヴァーしたアルバムを発表しているんだけれども、そこではなんとニルヴァーナに取り組んでいる。曲は「Come As You Are」で、こちらは一応原曲が分るアレンジになっているが、62歳(当時)のカート・コバーン……というのがなんとも言えない凄味を放っている。
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なぜ、ニルヴァーナを取り上げるに至ったのかを少し考えたのだが、カート・コバーンが生前、大好きなバンドに名前を挙げていたムタンチス(トロピカリズモの代表的バンド。「サージェント・ペッパーへのブラジルからの回答」!)の絡みなのだろうか。ムタンチスの初期には、ヴェローゾが楽曲の提供を行っている。
カエターノ・ヴェローゾ
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ヴェローゾの現時点での最新アルバムは、2006年の『Cê』。以前、このアルバムに収録された曲を中心に取り上げたライヴ・アルバムは紹介したけれど、これもホントにスゴい。芸能生活40周年記念アルバムで、バリバリのロックに取り組む姿勢がもう感動的。しかも、最後の曲は変な奇声で終わるという謎仕様。
以前も貼り付けた映像だけれど、アルバム収録曲「Rocks」のスタジオ・ライヴ映像。ヴェローゾの変な動きがツボ。
今年もよろしくお願いいたします。カエターノさんは後にマイケル「Black And White」もカヴァーとかしてて、これはもう普通にファンなんじゃないか、と。「Billie Jean」は英語カヴァーで3曲くらいメドレー(1曲はThe Beatles)になってる奴は愛聴アルバムに入ってるのですが、このポルトガル語はやばいすね。いずれにせよ60代とかってまだまだいけるんだろな、って奮い立たせられます。
返信削除こちらこそよろしくお願いいたします。むしろマイルスにもカヴァーされているMJがすごいような気がしてきました。さすが、キング・オブ・ポップ。60歳のヴェローゾ先生は普通にバラードを歌ってる方が喜ばれそうなのに、それをやらないのが男だな、と。
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