スキップしてメイン コンテンツに移動

2012年に観たライヴを振り返る

  1. コンポージアム2011 サルヴァトーレ・シャリーノの音楽 @東京オペラシティ コンサートホール
  2. 読売日本交響楽団第511回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  3. 読売日本交響楽団第512回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  4. 聖トーマス教会合唱団 & ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 @東京オペラシティ コンサートホール
  5. アルタード・ステイツ @新宿ピットイン
  6. 読売日本交響楽団第513回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  7. Just Composed 2012 in Yokohama 出逢うことのなかったピアソラとケージのために @横浜みなとみらいホール 小ホール
  8. 中原昌也 個展 @SPROUT Curation
  9. 読売日本交響楽団第514回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  10. 読売日本交響楽団第515回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  11. 細川俊夫ポートレート @東京オペラシティ リサイタルホール
  12. コンポージアム2012 細川俊夫を迎えて @東京オペラシティ コンサートホール
  13. 読売日本交響楽団第516回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  14. アントネッロ & ラ・ヴォーチェ・オルフィカ第26回公演《聖母マリアの夕べの祈り》 @東京カテドラル聖マリア大聖堂
  15. 読売日本交響楽団第517回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  16. クセナキス:オペラ《オレステイア》 @サントリーホール 大ホール
  17. 読売日本交響楽団第518回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  18. DCPRG YAON 2012 @日比谷野外大音楽堂
  19. 村治佳織 Classy Selection in 鎌倉芸術館 Vol.4 @鎌倉芸術館
  20. 読売日本交響楽団第519回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  21. 読売日本交響楽団第520回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  22. 読売日本交響楽団第521回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール
  23. FEN シークレット・ライヴ @吉祥寺GRID605
新譜に引き続き、昨年観たライヴの振り返りなどを。なんか今年は積極的にライヴに行く気持ちがなくなっていて、よっぽど興味があるか、よく一緒にライヴにいく友達か会社の上司に誘われてじゃないと「仕事あるしな〜」という気分になっていた。読響の定期会員もなんだか惰性で聴きにいってしまっていたので(惰性のような習慣で聴きにいく、っていうのも贅沢な話ではあるけれども)、来年度は会員継続しないことにしてしまった。もちろん、惰性で聴きにいってもものすごく感動して会場をでたりもするんだけれど、これまで興味があったものから急に興味を失ってしまって……ハッ、これって鬱!? とか思ってドキリとするが、なんのなんの23本も観ていたら充分か。そして、細川俊夫関連のコンサートに3本もいってるし、クセナキスだ、シャリーノだ、DCPRGだ、って好きなものばっかり聴いてたじゃないか……。

2012年はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の《マタイ受難曲》がベスト・ライヴ。我が生涯のなかでもトップ3に入ってくるんじゃないか、と思われるほど衝撃的に良かったし、泣きながら聴いた。感動した(ただ、ほかのトップ3候補をあげろ、と言われてもすぐにはでてこないけども)。シャイーが振ったときの《マタイ》の録音を、このライヴの余韻のなかで一年中聴いていたし、たぶん、これからも聴くだろう。

バッハ:マタイ受難曲
バッハ:マタイ受難曲
posted with amazlet at 13.01.07
シャイー(リッカルド) ライプツィヒ聖トーマス教会合唱団 テルツ少年合唱団 ランズハマー(クリスティーナ) シャピュイ(マリー=クロード) チャム(ヨハネス) シュミット(マクシミリアン) ミュラー=ブラッハマン(ハンノ)
ユニバーサル ミュージック クラシック (2010-04-21)
売り上げランキング: 9,471

コメント

このブログの人気の投稿

石野卓球・野田努 『テクノボン』

テクノボン posted with amazlet at 11.05.05 石野 卓球 野田 努 JICC出版局 売り上げランキング: 100028 Amazon.co.jp で詳細を見る 石野卓球と野田努による対談形式で編まれたテクノ史。石野卓球の名前を見た瞬間、「あ、ふざけた本ですか」と勘ぐったのだが意外や意外、これが大名著であって驚いた。部分的にはまるでギリシャ哲学の対話篇のごとき深さ。出版年は1993年とかなり古い本ではあるが未だに読む価値を感じる本だった。といっても私はクラブ・ミュージックに対してほとんど門外漢と言っても良い。それだけにテクノについて語られた時に、ゴッド・ファーザー的な存在としてカールハインツ・シュトックハウゼンや、クラフトワークが置かれるのに違和感を感じていた。シュトックハウゼンもクラフトワークも「テクノ」として紹介されて聴いた音楽とまるで違ったものだったから。 本書はこうした疑問にも応えてくれるものだし、また、テクノとテクノ・ポップの距離についても教えてくれる。そもそも、テクノという言葉が広く流通する以前からリアルタイムでこの音楽を聴いてきた2人の語りに魅力がある。テクノ史もやや複雑で、電子音楽の流れを組むものや、パンクやニューウェーヴといったムーヴメントのなかから生まれたもの、あるいはデトロイトのように特殊な社会状況から生まれたものもある。こうした複数の流れの見通しが立つのはリスナーとしてありがたい。 それに今日ではYoutubeという《サブテクスト》がある。『テクノボン』を片手に検索をかけていくと、どんどん世界が広がっていくのが楽しかった。なかでも衝撃的だったのはDAF。リエゾン・ダンジュルースが大好きな私であるから、これがハマるのは当然な気もするけれど、今すぐ中古盤屋とかに駆け込みたくなる衝動に駆られる音。私の耳は、最近の音楽にはまったくハマれない可哀想な耳になってしまったようなので、こうした方面に新たなステップを踏み出して行きたくなる。 あと、カール・クレイグって名前だけは聞いたことあったけど、超カッコ良い~、と思った。学生時代、ニューウェーヴ大好きなヤツは周りにいたけれど、こういうのを聴いている人はいなかった。そういう友人と出会ってたら、今とは随分聴いている音楽が違っただろうなぁ、というほどに、カール・クレイグの音は自分のツ...

2011年7月17日に開催されるクラブイベント「現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」のフライヤーができました

フライヤーは ナナタさん に依頼しました。来月、都内の現代音楽関連のイベントで配ったりすると思います。もらってあげてください。 イベント詳細「夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」

リヒテル――間違いだらけの天才

 スヴャトスラフ・リヒテルは不思議なピアニストだ。初めて彼のピアノを友達の家で聴いたとき、スタインウェイの頑丈なピアノですらもブッ壊してしまうんじゃないかと心配になるぐらい強烈なタッチとメトロノームの数字を間違えてしまったような速いテンポで曲を弾ききってしまう演奏に「荒野を時速150キロメートルで疾走するブルドーザーみたいだな」と率直な感想を持った。そういう暴力的とさえ言える面があるかと思えば、深呼吸するみたいに音と音の間をたっぷりとり、深く瞑想的な世界を作りあげるときもある。そのときのリヒテルの演奏には、ピンと張り詰めた緊張感があり、なんとなくスピーカーの前で正座したくなるような感覚におそわれる。  「荒々しさと静謐さがパラノイアックに共存している」とでも言うんだろうか。彼が弾くブラームスの《インテルメッツォ》も「間奏曲」というには速すぎるテンポで弾いているけれど、雑さが一切ない不思議な演奏。テンポは速いのに緊張感があるせいかとても長く感じられ、時間感覚をねじまげられてしまったみたいに思えてくる。かなり「個性的」な演奏。でも「ああ、こんな風に演奏しても良いのか……」と説得されてしまう。リヒテルの強烈な個性の前に、他のピアニストの印象なんて吹き飛んでしまいそうになる。  気がついたら好きなピアニストの一番にリヒテルあげるようになってしまっていた。個性的な人に惹かれてしまう。こういうのは健康的な趣味だと思うけど、自分でピアノを弾いている人の前で「リヒテル好きなんだよね」というと「あーあ、なるほどね」と妙に納得されるような、変な顔をされることがあるので注意。 スクリャービン&プロコフィエフ posted with amazlet on 06.09.13 リヒテル(スビャトスラフ) スクリャービン プロコフィエフ ユニバーサルクラシック (1994/05/25) 売り上げランキング: 5,192 Amazon.co.jp で詳細を見る  リヒテルという人は、ピアニストとしてだけ語るには勿体無いぐらいおかしな逸話にまみれている。ピアノ演奏もさることながら、人間としても「分裂的」っていうか、ほとんど病気みたいな人なのだ(それが天才の証なのかもしれないけれど)。「ピアノを弾くとき以外はロブスターの模型をかたときも手放さない」だとか「飛行機が嫌いすぎて、ロシア全...