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Holger Czukay/Movies




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ホルガー・シューカイ
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 こんな零細ブログにも月に2000円ぐらいのアフィリエイト収入があって(買い物してくださる方にホントに感謝!)、毎回それで得たアマゾンギフト券はすぐさまに「欲しかったけど買ってなかったもの」、「昔持ってたけど失くしたりして買いなおそうかと思っていたもの」、「誰も買いそうにないもの」といった商品の購入にあてている。で、今月はホルガー・シューカイの大名盤『Movies』を買ったのだった。



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 もはやエレクトロニカの古典中の古典と化した感のあるアルバムだが、実は人に借りただけで持っていなかった。一時期「自分のHDDには、自分で買ったCDの音楽データしかいれないぞ!」と思い立って、100GBぐらいの音楽データを消したことがあるのだが、そのとき一緒に消してしまっていたため、聴くのはかなり久しぶり。


 聴きなおしてみたら内容が素晴らし過ぎて感動してしまった。時を経ても価値が落ちない音楽、半ば普遍的な価値を持つ音楽のひとつにこのアルバムもおそらくは数えられるのだろう。なんかスクエアプッシャーみたいな曲とかあるんだよな……。





 今回購入したのは最近になってリマスタリングが施された盤なのだけれども、びっくりするぐらい音が太くなっていてこれも感動。クラブにある大きいスピーカーで聴いたら、脊髄あたりにドシンと響きそうな音になっている。ここ数年で、CANのアルバムのリマスター再発などもあったけれど、そちらも含めて随時買いなおそうかと思ったほど良い。



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 あと、ホルガー・シューカイってジョー・ザヴィヌルにそっくりだよねぇ……。



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