曲目
法倉雅紀(1963-):留火之(ともしびの) ~独奏チェロとオーケストラの為の(2010)*
(第18回芥川作曲賞受賞記念サントリー芸術財団委嘱作品 世界初演)
第20回芥川作曲賞候補作品
平川加恵(1986-):風神~オーケストラのための(2009)
初演=2009年10月29日 東京藝術大学奏楽堂
第11回東京藝術大学奏楽堂モーニングコンサート
山根明季子(1982-):水玉コレクションNo.04 ~室内オーケストラのための(2009)
初演=2009年6月13日 いずみホール
いずみシンフォニエッタ大阪第22回定期演奏会
酒井健治(1977-):ヘキサゴナル・パルサー(2006/2007)
初演=2009年5月31日 東京オペラシティコンサートホール
コンポージアム2009 <武満徹作曲賞本選演奏会>
出演
指揮=渡邊一正
チェロ=堤 剛
管弦楽=新日本フィルハーモニー交響楽団
公開選考会
司会:沼野雄司
選考委員:三枝成彰/夏田昌和(猿谷紀郎に交代)/湯浅譲二
サマー・フェスティバル7日目は芥川作曲賞の本選演奏会。今年の最終候補は最年長が1977年生まれと非常に若い世代の作曲家が選ばれていました。結果は今年二度目の最終候補となった山根明季子が受賞(おめでとうございます!)。2007年に候補になったときも《水玉コレクション》が選ばれていたことを考えると、何か作曲家の執念みたいなものを感じます。個人的には今年初演された《水玉コレクション第6番》の印象が強く残っていて、そちらのほうが好きだな、と思ったんですが磨き抜かれたコンセプトと高い完成度を感じました。
芥川作曲賞の最終選考はステージのうえで行われます。今回選考会に初めていったんですが、これが面白かった。作曲家にもいろんな人がいて、いろんな見方がある。とはいえ今回はほとんど揉めもせずすんなり決まったように見えました。審査員のなかでは湯浅譲二の発言が非常に印象に残りました。20代のころ初めてヴァレーズを聴いたとき、あまりの未聴感にこ宇宙からきた音楽かと思った、というエピソードを披露し、そういう未聴感のある音楽を聴きたい、と湯浅譲二が語ったとき、私はそのシンプルな欲求に深く共感しました。「聴いたことない曲が聴きたい」って単にそれだけなんだよなあ……。
審査員の変更に関する話についても発言がなされましたが、それについてはまた別な機会に、書けるとき改めて考えてみたいです。明日もサマー・フェスティバル8日目がありますが、私の夏休みが終わったので(チケットはあるけど)行けません!
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