Fennesz
Editions Mego (2014-04-29)
売り上げランキング: 5,094
オーストリアのギタリスト、クリスチャン・フェネスの新譜を聴く。わたしはグリッチ・サウンドに溢れたエレクトロニカ系ミュージックの熱心な聴き手ではないし、フェネスに関しても
『Endless Summer』
や坂本龍一との
『cendre』は繰り返し聴いたぐらいだが、本作は『Endless Summer』の続編的作品であるとのことで手を出してみた。ギター・ソロ作品かと思いきや、ドラムやベース、シンセのクレジットもあり、しかも参加しているのはマーティン・ブランドルマイヤーなど著名なインプロヴァイザーである。『Endless Summer』ほどはメロウな感じはしないが、シュワシュワ/ブチブチのノイズのなかから聴こえてくるギターは、聴いていて悪いものではない。この手の「エレクトロニカ」というヤツは、環境音楽みたいになって、がっかりさせられることもしばしばだが、これはとても良いと思った。なかでも最も長尺な「Liminality」という曲は、瞑想的なドローンのようにも、とても生きの長いワンフレーズがずっと続いていくようにも聴こえるし、とてもエモかった。My Bloody Valentineのようにポップだと思ったし、ジョン・フェイヒーの
『Womblife』を想起させもして、音の境界線を曖昧にさせるノイズのなかからさまざまなイメージが立ち起こっていく感じがするアルバム。こういうのが無性に聴きたくなる瞬間がある。自分のなかで、初期のTangerine DreamとかKlusterとかも(全然でている音は違うが)同じ部類の音楽だ。
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