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肉をワインで煮てみよう



家に鉄人が来た日


 仕事がはやく終わったし、明日休みなのでモゾモゾと料理熱が突沸。脳内に「牛肉の……赤ワイン煮……」という神的なものからくるリフレインがこだましたので、早速スーパーにより牛肉の赤ワイン煮を作ることにした。写真は全然関係ない、この前買った鉄人28号のフィギュアです。


 材料。牛肉の硬い部位を400グラム。たまねぎ1個。にんにく1かけ。安い赤ワインのボトル一個。ローリエ2枚ぐらい。あとは基本的に「普通の家にはあるだろー」という食材&調味料。


 作り方。牛肉は塩コショウ振って小麦粉(これが最終的に煮汁(?)のトロみをつけてくれる)をまぶして、鍋に油をひいて少し焼く。表面の色が変わったら取り出す。まぶした小麦粉が鍋の底にひっついてると思うので、そこに油を足してたまねぎ&にんにくを炒める。たまねぎの色が良い感じになったら、取り出してた肉をぶち込んで、そこにワインを注ぎ込む(肉が隠れるぐらいまで)。灰汁をとりながら、適当なタイミングでコンソメの固形のヤツ一個、ローリエ、コショウ適量を入れて30分煮込む。



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 牛肉の赤ワイン煮。こいつはフランスのとある地方の郷土料理(特別な日に食べる)らしい。なんで待ってる間、キッチンに椅子を持ってきて、火にかけた鍋の前でラブレーなんか読むのはどうだろう。食事前に読むのはキツい下ネタ満載だけれど、大体これを作るとき、ボトルの半分ぐらいはワインが残ってるので飲みながら読んだり、読みながら飲んだりすると30分などすぐ過ぎてしまう(面白いよ!)。


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 で、30分経ったら、そこに大さじ2ぐらいのさとうをいれて(蜂蜜でもいいらしい)、マッシュルームを適当にいれてさらに10分煮込む。写真は調理中の鍋。待っている間に、ローリエの香りがしてきてテンションあがってくる。


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 「これがオレ本体のハンサム顔だ!」という感じで盛り付けて、できあがり。写真はなんか世紀末の産廃施設から日夜排出されつづける放射能を帯びたゴミみたいになってるけど美味しいよ!!





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